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「いつも 『今日しかない』と考えてプレーしている」...ジャック・ニクラス。

以前に書いた、チャールズ・チャプリンの「Next is best」と正反対の言葉のように見える。
しかしあれは、何度ゴルフの魔女や女神にいたぶられ、からかわれ、笑いものにされようとも、決して諦めようとしないゴルファー達の「不屈の精神」を表した言葉...ゴルフの魅力を語った言葉だ。

そしてこれも、ゴルフの本質的な魅力と楽しみ方を語った言葉だといえる。
ゴルフというゲームがなぜこんなに面白く、飽きる事なく長い時間楽しめるのか...なぜ殆どのゴルファーが(経済的な事情でプレー続行が不可能になった人を除いて)、身体が動く限りゴルフを続けるのか?
...それはゴルフが、「一期一会」のゲームだからなんだと思う。

ゴルフというものに、全く同じショットは二度とない。全く同じ条件でプレーする事は、絶対にないゲーム...(「play as it lies」と言うゴルフの基本精神でプレーする限り)一打一打がライが違い、景色が違い、自然条件が違い、自分の身体の具合が違い、心の有り様が違う...そしてそれらの要素が、面白いようにボールに反映されるゲームなのだ。
同じコースで、同じような天気の時、同じ時間帯に何回プレーしても全てのショットが全て違う。
言い換えれば、全てのショットが「その時だけ」の「たった一度」の「一期一会」のショットという訳だ。

真剣にプレーすればするほど、毎回のショットは新鮮で変化があって、頭も身体もフルに使って対処しなければならない深みがある。
やればやるほど熱中するのは当たり前だ。
...ただ、ゴルフの神様って奴はへそ曲がりで意地悪で、浮気者で気まぐれで、皮肉屋で悪戯好きなもんだから、我々にこれ以上ないくらい惨めで悲しく絶望的な思いを繰り返し味わわせる。
それも、より正直で誠実にプレーしている人を選んで狙い打ちをしているように、だ。

しかし、これで「投げて」はいけない。
ゲームを投げてしまったら、ゴルフの楽しみをより深く知る機会を捨ててしまう事になる。
(絶望から再起する事こそゴルファーの楽しみの真骨頂とも言えるんだから(笑)。)
「NEXT IS BEST」は、ゲームを投げなかったゴルファーが言う権利のある言葉。
投げてしまった人間には、次のゴルフを語る資格はない。

だから、ゴルファーは何時だってニクラスの言うように「今日しかない」と考えてゴルフをプレーするのがいい。

多分、そんな気持ちでラウンドすれば、池に映る空の色だって、フェアウェイ脇のラフに咲く花だって、OB杭の向こうから吹いてくる風だって、コースに流れる雲の影だってゴルフと人生をきっと豊かにしてくれるから。

「ゴルフ」と「人生」、どちらも「一期一会」だからこそ、面白い。