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「殆どのゴルファーはゴルフをプレーしようとして、コースをプレーするのを忘れている」...トミー・アーマー。

深いような深くないような...いや、これは深い!
解釈も一杯ありそうな言葉だけれど、ここは勝手に私の解釈を。

「ゴルフをプレーする」というのは、ゴルフにおけるスイングや決まり、ルール、マナーなども含めて「コースじゃなくても練習や勉強で習得出来る」事柄全てを言っているんじゃないかと思う。
雑誌やテレビ他のプロの参考写真、解説書の写真、そして自分で撮った自分のスイング映像での研究。
色々な方法を伝える市販の本の練習法や、昔から大量に販売されている「ゴルフの技術書」類での学習と実践。
一般の「ゴルファー」のなかには、それらの研究と練習場での試行錯誤自体が「自分のゴルフ」の中心、或いは目的になっている人が結構いる。
時間さえとれれば毎日でも練習する、練習したい、という人も多いだろう。

そういう人達が、「待ちに待った」ラウンドのスタート。
スタートホールで...第1打の心構えとか、緊張しない方法とか、ストレッチは十分やったかとか、朝の練習場での当たりはどうだったか...とか。
セカンド...このアイアンは自信がないとか、ダフったらどうしようとか、パーオンしなかったらアプローチに自信が無いとか、ティーショットで肩の入りが浅かったからしっかり入れて...とか。

気がついたらもう7番、あと3ホールでアウトは終わりだ...

なんて経験あるんじゃないか?

そこでトミー・アーマーは、「コース」をプレーするのを忘れている、と言う。
スイングの細々とした技術や、自分の出来なんかを忘れて「目を上げて、コースを楽しめ」って言っているんじゃないかと思う。
もうコースに出るまでに「ゴルフ」は楽しんだ。
コースに出たら「コース」を楽しもう、と。

結果が失敗が多いというのは、ゴルフの魅力の一つじゃないか。
練習したりした事がみんなすぐに出来てしまったら、ゴルフなんて絶対にすぐに飽きるって!
上手くいかないから、みんなあんなに熱中するのさ。

さあ、顔を上げて、コースを見て、自分なりの攻め方を楽しめ。
周りを見てみろ...こんなに広い空間はなかなか体験出来ないんだぞ...空を見上げてみろ...空は高く風が吹き、雲があり太陽がいる...鳥や小動物や、季節の花や、緑の変化が周りに満ちているのに気がついているか?
谷越え? 池越え? ショートカット? いいじゃない...無くすものはボールとスコアだけだよ。
命や誇りまでなくなるもんじゃない。

コースには18回のチャンスがある。
そのそれぞれを全力で挑戦して行けば良い...それこそ、コースじゃなくては出来ない事なんだから。
「ゴルフ」は後で反省すれば良い、今は「コース」のプレーを楽しもう。

そんな事言っているような気がするんだけどね...アーマーさん。

でもまあ、多分こんな考えではスコアは良くならない。
常に前回よりいいスコアで上がりたい、なんて人にはコースの景色なんて邪魔でしかないものだから。
池やOB、クリークやバンカー...見えれば恐怖や不安や緊張で、行きたくないと思う程そっちにボールが飛んで行くのがゴルフ。
ゴルフの上達本にだって「景色に左右されない為に、景色を見るな」とか「危ない景色は頭から消せ」なんて、よく書いてあるし。

...でも、その「見える景色」がある事こそ「コースをプレーする」って事。
恐怖や不安や緊張感なんて、コースに出なくちゃ味わえない。
そして、それがあるからゴルフは深くて面白い大人のゲームなんだと、俺は思う。