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「ショットをする前に、生涯最良の一打を思い出せ」...アーノルド・パーマー。

いいイメージを思い出せ!
そういうことだろう。

例えば左がOBのホール...ティーグラウンドに立てば、ほとんどの人間がOBゾーンに消えて行くボールを思い浮かべてしまう。
フッカーは右に出したつもりが、曲がりが思ったより早く「あっ!」と思たとたんに左へ左へ...OBの白杭を越えて行く。
スライサーも、こんなホールに限っていつものように右に曲がってくれないボールは、打ち出した通りの方向にナイスショットとなって、OBゾーンに一直線。
こんなに曲がらないボールは、OBの方向にしか打てないのが不思議だったりして...

で、パーマーは言う。
「自分の一番良かったショットのイメージを思い浮かべろ」と。
しかし、彼ほどのゴルファー...じゃなくても、それなりに上手いゴルファーだったら、引き出しにいいショットのイメージは色々あるから思い浮かべ易いだろうが、我々はそうはいかない。

だいたいティーグラウンドで、これから打とうって時に自分の最良のショットを思い出そうとしていたら、簡単には見つからなくて探しているうちに酷いスロープレーになってしまう(笑)。

思い返せば我々の「これは凄いぞ!」なんてスーパーショットは、打った瞬間の手応えの快感と、予想外の出来事にであった驚きと、こんなことがあるはずがないという疑念がごちゃ混ぜになって、ただ空を飛んで行く白いボールを「呆然と」信じられない思いで見続けていたんじゃなかろうか..。

残ったのは、絶対的な幸福感と、どこかの何か有り難いものへの感謝と、この幸運の後に絶対に来るに違いない「不幸な出来事」(経験的にその方がずっと多いって知っている)へのもの凄く不安な気持ち...
別に失敗願望があるって訳じゃないのに、「こんないいことがまたあるはずがない」なんて思ってしまう、なんて俺達善人なアベレージゴルファー(涙)。

だもの、すぐにそんなショットのイメージを思い出せって言ったって、思い出すのは打った後の心の動きで、ショットのイメージなんて打ったときですら全く覚えていないわさ...な。
そして、それでも無理矢理そんなショットのイメージをしてショットをしたって、たいてい失敗する...するとそれで無くても弱々しい成功のイメージがまた一段薄れて行く。

ああ、なんて可哀想な気弱で善良で正直者のアリ地獄。

そこでそんな失敗の経験を積んで行くと、緊張するような景色のホールに出会うと、OBに飛んで行くボールのイメージを打ち消すためには、(見つからない最高のショットの代わりに)違うイメージで悪いイメージを消せば良いではないかと思いつく。
...そう、例えば打つ時に「今日の昼飯は何にしようか」とか「明日はあの酒を飲もう」とか「あの女優のおっぱいは大きいなあ」とか「ゴルフの女神ってのは美人なのかブスなのか」とか「あの時あの娘にフラれなかったらなあ」とか...

パーマーおじさんは怒るかもしれないけど、我々は結局簡単には見つからない最良のショットのイメージよりも、煩悩一杯のイメージの方が悪いショットのイメージを消せちゃうんだよねえ。
もちろん消すことは出来てもいいショットが打てる訳じゃないけど、悪いショットを頭に浮かべたままよりはなんぼかマシって程度の話。
...男って(俺って)馬鹿だねえ...

なんて言ってないで、今度間違って最高のショットが打てた時には、しっかりと覚えるようにしなくっちゃね。
いつになるか、わからないけど。