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「こんなはずじゃなかった」というのが、君の本当の実力だ。...三好徳行

「君、そういうのを傲慢と言うんだよ。」
昔、尊敬する大先輩にこう怒られた。
...ゴルフを始めて4−5年くらい、確実に上手くなってきたのが実感できて、月例で優勝入賞を繰り返し、ハンデがどんどん減ってきていた。
「もう、俺は2度と90以上は叩かない...いや、85以上叩かない」なんて本気で思っていた。
そんな時、その先輩とラウンドする機会があったのだが、どういうわけか(自分ではそう思っていた)やることなすこと裏目に出て、ハーフで50を超えるスコアになってしまった。
「こんなはずじゃあない」という思いで頭がいっぱいになり、山ほどの言い訳を考え...それでも後半のハーフは39でまとめることが出来た。

面目は果たしたとホッとしてラウンド後にコーヒーを飲んでいた時、山ほど考えていた午前中のハーフの大叩きの言い訳を一言言った途端に、穏やかな言葉で「傲慢ですね。」と言われた。
そして、静かにこの言葉を教えてくれた。
恥ずかしさで真っ赤になり、全身に汗をかきながらこの言葉をかみしめて、大先輩に頭を下げた。
「ありがとうございます。」...それしか言えなかった。

この前の試合、午前中はスタートホールの5パットから、なんだかんだで49だった。
正直、言いたい「言い訳」は、いくつもあった...キャディーが、風が、練習が、クラブが、キックが、ライが、腰が、金が、仕事が、指が、...その種類は数え切れない。
そして、さらに強風の吹く午後、拾いまくって40であがった...この日の午後のスコアとしてはかなり良いスコアで、風がなければパープレーくらいの感触があった。
当然、自分の中では「これが実力だ」なんて気持ちがあった...でもこの言葉を思い出したときに、これはラッキーだったんだ、と改めて謙虚に反省するしかなかった。。

ある程度上手くなると、何回かパープレーあるいはそれに近いスコアで上がれたなんて経験を持っているだろう。
そして心のどこかで、それが俺の本当の実力だ、なんて思っているだろう。
でも、そんなのは「本当の偶然」なのだ。
そんな時は、ティーショットはフェアウェーを外さず、曲がった奴だって木に当たったりして戻ってくる、セカンドはミスしてもみんな乗ってしまう、外れた奴がチップインバーディーになったりする、長いパットが入ってしまう、打ち損ねたパットが正しいラインに乗って入ってしまう、パーパットはお先にばっかりで全然疲れずにパーがとれてしまう...そんなラウンドだったはずだ。
流れが「トントン拍子」と言うように、良い方に向いていたはずだ。
...それこそが、ゴルフの女神の悪戯、ただの偶然で断じて本当の実力ではない。

「可能性はある」、それだけだ。

叩いたから落ち込む、というのは身の程知らずの傲慢だ...先達はそう言っている。
叩いて落ち込む姿には(俺のいつものパターンだけど)、自分を「本当は上手いんだ」と見せたいような醜さがあるのを自覚しなくちゃいけない。
こんな時は「さあ! 殺せ!」「これが俺の実力だ!」くらい、開き直って下手を認めるしかない...「俺は下手なんだ!」「でも、このままじゃあ終わらない」...ゴルフの面白さを知ってしまったゴルファーは、あきらめの悪いのが一番の才能だ。

そう、「がんばらないけど諦めない!」


そして
「まだ、まだ!」...だ。