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「風の中のプレーの最上の秘訣は、風に刃向かうことではなく、風に従うことだ」...ヘンリー・ロングハースト。

ゴルフボールって奴があんなに風に影響されるなんて、ゴルフをやったことがない者には信じられないことだろう。
ゴルフボールは堅いし結構重い...でも、それが天気予報で「強風「なんて出てた日には、笑っちゃうくらい風に乗って、まるで糸の切れた凧のようになるんだから面白い。
もちろん河川敷のように、遮るものがないコースでの風は凄いが、林間コースでの木々の高さを超えたボールに対する影響も笑っちゃうくらい凄い。
むしろ、常に風の吹いているのが判る河川敷では、誰もが自然に対応しようとするけれど、林間コースの木の上や、林の切れ目を吹き抜ける強風は、変化があって対応も難しい。

ヘンリー・ロングハーストが言っているのは、こうした風に対してより強い力で強いボールを打って対抗しようとしても、無駄なことだ...勝てるわけがなく、より酷い失敗を招くだけだということ。
それよりは、風に逆らわず、風を利用してコース攻略を考えろといっているわけだ。

でも、それはそれなりに難しい...真っ正面からのアゲンストで、どう風を利用しようと?

たぶん、飛ばないのを覚悟して地道にフェアウェイを使え、ということなんだろうけど。
実際には風に吹かれまくって、「フェアウェイに置く」なんてのは上級者のみに出来る至難の業で、ろくなスコアにならないのがオチだろう。

かってのプロの人達は、それぞれ、「パンチショット」だとか「ノックダウンショット」だとか、「低い地をはうようなフックボール」だとか、「プッシュショット」とか、それぞれ風に乗らない低いボール(風の下を潜るとも言うらしい)で打つ方法を考えて、対応した。
高等技術だから、アベレージには向いていないと言われているけど、そう言われていたってそのままでは進歩がないんだから、練習場でそんな打ち方を練習しておいて損はないだろう。

先日一緒に回った大学ゴルフ部出身の若者は、綺麗なスイングでハイドローを打ち、飛距離も正確性も優れたものだったけど、強風の中でドライバーからアイアンまで全て同じ弾道で攻めていって風の餌食となってしまった。
風が弱いときには、何度もピンにぶつけるほどの精度を誇ったアイアンが、風に負けてバンカーでは目玉になり、外してはいけない方に外して崩れていった。
下手なりのパンチショットを多用した俺が、グリーン周りに運んでパー・ボギーを拾っていくのに対し、悪い方に外した彼はダボを重ねていく。
まあ、俺の「パンチショットもどき」の打球ってのは殆どゴロに近いから、それが結果として良かったと言う事だろう。

「強風の日はゴルフにならない」と普通のゴルファーは言うけれど、例えばドライバーで距離は出なくても低いライナー性のボールを打とうとしたり、あるいは150ヤードをトップさせてみようとしたり、100ヤードでも転がして乗せようとしたり、発想力とやり方次第で風は「ゴルフ遊び」の新しい楽しみ方を広げてくれる。
俺は思う...風は雨よりずっと良い。
雨の日はゴルフ以外に煩わされる事が増えるだけで、ずぶ濡れになって気持ちも悪く、ゴルフの基本の「転がし」さえも出来なくなり、グリップが滑る危険が増え、ボールをロストする事が多くなり、フェアウェイやグリーンも痛めつける結果となり、とても「遊び」の気分じゃ居られなくなる。
発想や工夫でどうなる事なんて何も無く、体調迄崩してしまう危険がある。
...雨の日のゴルフには、楽しい事なんかマッタク一つも無い。

俺はこんな雨とは絶対に遊べないけど、風とならいくら強くても普段より頭を使って自由な「ゴルフ」を遊べる。
それでスコアがどんなに悪くなったって、風の吹く日は嫌いじゃない。