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「リカバリーショットは、それが出来るときまで待て!」...ボビー・ジョーンズ

確かに。
ああ、自分はそれで何度、大叩きの深みに入ったことか!
大事に出しておけばボギーで済むのに、結果として難しい(と言うより殆ど不可能な)トラブルショットに挑戦して、結果としてトリだのダブルパーだのになっちまう。
まるで、目先の負けを取り返しに行って、結局スッカラカンに擦ってしまう弱いギャンブラーの姿だよな。
「取り返そう」なんて言うギャンブルってのは、負けるに決まっているものなのに。

少しばかりティーショットが飛ぶ代わりに曲げることの多い自分は、セカンドは半分以上トラブルショットというのが今までのゴルフスタイル。
当然林の中やら、谷間の底やら、山のてっぺんからのショットがやたらに多くて、そんなところからのリカバリーには少しばかり自信がある。
むしろ、偶に行くフェアウェイの真ん中なんかより、トラブルショットからグリーンオンしてチャンスにつく事の方がずっと多いくらい。

だから、自分では全てのトラブルを取り返しに行っていた。
例えば、谷底から残り180ヤードを90度のフックを打って乗せたり、木の真後ろから木の股を抜いて150ヤードを30センチに乗せてバーディーを獲ったり、林の中200ヤードを2アイアンでトップさせて転がして乗せてバーディーとか、残り60ヤードをサンドを開いて殆ど真上に上げて木を越えてオンとか...記憶ではそんな事ばかりが残っている。

が、冷静になって思い返してみると、それが失敗して結局ダボ以上叩いた方が圧倒的に多いのが真実。
大部分を占める失敗の記憶を、頭から消しているだけなのだ。

ボビー・ジョーンズの言っているこの言葉...前に30センチの隙間があるときに、横や後ろに安全に出すことは勇気がいる。
「今はリカバリー出来るときではない」と、決心するのには一歩後退する勇気が必要だ。
しかし、真にゴルフを知っているのは、こんな時に平気で後ろに出せる人だろう。

...林の中からフェアウェイを見ると、十分スイング出来るし、ボールの前は空いている。
グリーン方向の太い木と木の間は5メートルくらい、その先に15センチもない細い木が一本あるだけ。
空いている空間の比率からいって、90パーセント以上は木に当たらない空間だ。
こういうときは、その若い木を狙えば当たらない、というのがゴルフの常識。
「狙ってその木に当たるなら、俺はプロになってやらあ」なんて鼻で笑ってフルスイングすると...何とも美しい「パカーーーン」という音を残して、その若い木の幹の芯を食ったボールは、俺の真後ろ...さらに深い林の奥へと消えて行く。


ゴルフと言うのは、本当に不思議で奥深いゲームだ。
合理的、科学的が必ずしも真ならず、かと言って気持ちばかりでも迷路に嵌る。

「危険を承知で行くか?」「行かないで安全に出すか?」...これは、ゴルフの一番の悩みどころかも。