img_0-12

「打つ前に悪いイメージを持つと、その通りのミスになる。」...ミッキー・ライト。

大分前から良く聞いた言葉に、「ゴルファーは自分の言葉に責任を持ってしまう」というのもあった。
色々なゴルフ界の著名人が同じ意味のことを言っているところを見ると、この言葉は上手い下手、ゴルフ歴の長短にかかわらず誰もが感じていることなんだ、と改めて思う。

「この前はここでフックしてOB打ったんだよなあ...」とか、「ここの池には何度も入れてるよなあ...」なんて、ちょっとでも思ったが最後...殆どの場合そのイメージの忠実な再現になってしまう。
誰でも心当たりがあるだろう。

ゴルフの奥深さであり、面白さとも共通するんだけれど、
「ゴルフボールは、必ず行って欲しくない方向に飛ぶ」という「真理」もある...これは宇宙の定理でもある。
「左に行っちゃダメだ!」と思えば、必ずボールは左に飛び、「右には行くな!」と願えば必ずボールは右に行く。
では、どうしてみんなそこそこフェアウェイに打てるようになるか、というと...ゴルファーというのはみんなコースで酷い目にあってから、修行をするようになるからなのだ。
そこではみんな本能と欲望を抑え、「動かしたい所を動かさないよう」に、「動かしたくないところを動かすよう」に、「右に動きたいところを左に動かし」、「左に動きたいところを右に動かし」、「上に行きたいところを下に向け」、「下に動こうとするのを上に動かし」...そんな血と汗と涙の努力と練習の結果、ボールは弱々しくもフェアウェイに行くようになる。
そのように自分の本能から遠く離れた所で、苦労の末作り上げた「スイング」というものは、「こんなに苦労したんだから、きっとフェアウェイの方向に行く...に違いない...行って欲しい...頼むから行ってくれ」なんて感じで、やっと微妙なバランスの上で「もの」になっているもんなのだ。

だから、そこに疑問が入るともういけない。
チラッとでも「右の池が...」とか「左のOBが...」なんて思っただけで、そんな努力と修行の結果なんて霞のようにどこかへ吹き飛んでしまう。
これは沢山の有名なプロゴルファーでさえ、言っている言葉なんだから間違いない。

じゃあどうするか、ということだけど...そう思うな、ということしかプロも言えない。
そんなイメージが出てきたら、アドレスを解いてはじめからやり直す、と。
でも、出てくるなって言ったって、出てくるのが悪いイメージ..なんたって景色が見えてしまうんだから。

そこで、しょうがないからおまじないを頭の中で繰り返す...「俺のボールは絶対にまっすぐ飛ぶ!」でも「今日の昼飯は、中華にする」でも「ここでまっすぐ飛んだら、嫁さんにお土産持って帰る」でも「フェアウェイ右サイドに飛んだら、今度の休日には子供の相手をずっとする」でも「あの女優のおっぱいはいいなあ」でもいい。
悪いイメージを一時的に、強引に違うイメージで吹き飛ばし押さえつけて、その間にスイングするのだ。

つくづくゴルフってのは...繊細で正直で謙虚で優しい神経の持ち主には難しいゲームだ。
だから昔から、「嫌な奴ほどゴルフが上手い」って言葉が言われているのだ。

...嫌な奴だがゴルフが下手、っていう俺は立場がないけど。