ゴルフの名言勝手に解釈  (渡辺隆司のゴルフブログ)

過去から今に伝わるゴルフの「名言・格言」を、勝手な解釈で描いて行きます。 読んだ結果、多分、ゴルフが上手くはなりません。 でも、ちょっと良いゴルファーにはなれるか、と。 もちろん責任持ちませんが。 (イラストの無断使用はしないで下さい)

img_0-56

「手だけではなく、両足でも地面をグリップする事が重要だ」...ウォルター・ヘーゲン。

同じような言葉では、中村寅吉が「靴の中でも、素足で地面を掴むようにしろ」と言っているが、この二つの言葉似てはいるが、ちょっと意味合いが違う。

ウォルター・ヘーゲンは、残された写真や映像で見る限りかなり広いスタンスが特徴で、その広いスタンスで下半身をしっかり支えてロングドライブを打っていた。
本人も「両足がその広いスタンスによって、しっかりと安定しているからいいショットが打てる」と解説して、広いスタンスで地面をしっかりとグリップする事を勧めている。
確かにスタンスを広げると、上半身に力が入ってもふらつかずに安定して振る事が出来る。
ドラコン選手権の選手は、殆ど全員広いワイドスタンスをとっている。
...ただしこの広いスタンスは、それぞれ人により向き不向きがある。
身体が堅かったり、スイングが出来ていない人には、むしろ下半身を使えずに手打ちやダフリトップの原因となってしまう。
(そのためにワイドスタンスは一般的にはならず、近年のレッスンでは「肩幅」くらいのスタンスが適当という事になっている。)

中村寅吉の「足で地面を掴め」というのは、「靴を履いていても、靴の中で足の指でしっかり地面を掴んでいるようにスタンスをとる」ということ。
実際に裸足で練習したりもしたと聞く。

ちょっとニュアンスの違う二人の言葉だが、共通しているのは「手も足もグリップする事が大事」と言っている事。
スイングを考えると、どうしても手や上半身の動きに注意が行くが、地面に接している「足のグリップ」はスイングを支える土台なのであるから、これを疎かにしてはならない、と。

現代のレッスンでは、両足の親指の母指丘あたりに重心をかけろ、とか踵体重はダメ、とか言うのが一般的だが、「足で地面をグリップする」つもりでいると、自然にこういう形になると思う。

スイングするにあたって、何かチェックしなければすまない人は、上半身の事を忘れて「足のグリップ」だけをチェックしてスイングするのも面白いと思う。
上半身は普段の練習できっとなんとか出来るから、こんな意識でラウンドすると新しい自分に気がついたりするんじゃないかな。

...以前、足でグリップするつもりで「指で地面を掴む」イメージでスイングしていたら、後半足の指がつって困った事があった...これはご用心(笑)。


img_0-55

「遠くへ飛ばそう」という考えを捨てなければ、スイングのリズムは作れない...エド・オリバー。


どんなゴルファーでも、「なんか調子がいい」という時があったはず。
初めて90を切った時、初めて80を切った時、ベストスコアを出した時...覚えているだろうか?
そんな時は、なんとなくスムーズにバックスイングが出来て、スムーズに振り切れる。
どの番手も、そんなに違和感無く振れる。
ミスしたと思っても、想像よりずっと小さな範囲の曲がりですむ。
ボールに対した時に、すっとアドレスに入れる。
ライが違っても、なぜか同じようなタイミングで振れる...
...こういう状態になった原因は、一般に「偶然」スイングのリズムが良かったから、と言われる。

(偶然)というのは、それが本当に偶々のことで、長続きしなかったから。
折角自分に合ったリズムでスイング出来たのに、そのリズムを結局自分のものにする事が出来ないまま、どこかに消えてしまうのを止められないのが絶対多数の凡ゴルファー。
本当に意識して身に付いたものではなく、偶然その日の体調や気まぐれで出会っただけの運が良かっただけのスイングリズムだから、わかっていてもどうしようもないのだが。

しかし、そういう時があったという事は、自分がそのときのスイングリズムを自分のものに出来たら、いつでもそういうスイングが出来る「可能性がある」という事。
80を切れた人はいつでも80を切れるだろうし、どんどんベストスコアの更新だって出来る「可能性がある」という事。

スイングの「リズム」というのはそれほど大事だと、古今の多くの名プレーヤー達が口を揃えて言っている。
練習するべきは、細かいテクニックをどうするかより、自分の「良いショットを打てる」スイングのリズムを作る事だと。

ただし、その名プレーヤー達は、スイングのリズムを作るのに「飛ばそう」「飛ばしたい」という気持ちが入ると、それは無理だという事も言っている。
確かに、「飛ばそう」と思った瞬間に、腕なり、グリップなり、腹筋なり、背筋なり、太ももなり、尻なりに強い力が入ってしまうもの。
そりゃあそうだろう...「普通」より「飛ばそう」という事は、常識的には「普通じゃない」力を入れる事なんだから。
でも、そうなるとスイングのリズムは普段と全然違うものになってしまう...もちろん悪い方に。
ただの出会い頭の大当たりを願う、博打スイングになるだけだ。

「飛ばそう」という思いを捨ててから、あの偶々驚くほど調子が良かった時の「偶然のスイングリズム」を探してみよう。
少なくとも一度現実に出来た事だったら、自分のゴルフが急速に進歩する可能性は大きい....もしそんな経験がなかったとしても、常にここ一番力任せにギャンブルショットばかり打つゴルファーより、スイングリズムを探すゴルファーの方が何かに気がつく可能性はずっと高い。


スイングにリズムを作りたい、自分のリズムでスイングしたい、と言うならまず「飛ばそう」という気持ちを捨てる事。
それが結局飛ばしにもつながる...なんていうのは、まるで禅問答みたいだけれど、「だからゴルフは面白い」って事にしておこう。

いつも毎回ギャンブルショットの自分には、耳の痛い言葉だけれど(笑)。

img_0


「私は、髪の毛を掴まれてショットの練習をしたから、どんなに強く打っても頭が動かないようになった」...ジャック・ニクラス。


ジャック・ニクラスがゴルフを始めた少年の頃、彼の頭の毛を掴んでショットを打たせたのは、有名なレッスンプロであるジャック・グラウト。
この練習は、頭を少しでも動かすと激痛が走り、ニクラス少年は泣きながら練習を続けた、という伝説になっている。
だが、この辛い練習のおかげでニクラスは「いくら強く打っても、絶対に頭を動かさないようになった」とも言っている。
後年の、「帝王」とまで呼ばれるゴルファーの正確無比なショットは、こうして生み出された、という訳だ。

誰でも、ゴルフを始めた時には一度は「頭を動かすな!」と言われた事はあるはずだ。
古来、殆どゴルフが広まった時以来、「ボールを見ろ!」と「頭を動かすな!」というのは、2大基本とまで言われるスイングの基本原理。
...それなのに、この現代に「なにをいまさら」と言われるかもしれないが、ボールにちゃんと当たらないゴルファーの原因の殆どは、今でもこの二つなのだ。

特に「頭を動かさない」という基本。
自分でも何回かレッスン書の仕事で「頭は動かしていい」「頭一つは動いていい」「顔ではなくて首の後ろ側が軸なんだから、顔が動いてもいい」というイラストを描いた事がある。
本当はそれぞれに理由があり、それぞれが「頭を動かさない意識がありすぎると、こういう弊害がある」という事への対処の方法としての「意識のありかた」なんだけど。
例えば、「頭を動かすな」という事を気にしすぎると、身体の固い人は肩を回そうとして、左足重心になり左肩が落ちただけのリバースのトッップになりやすい。
いわゆるギッタンバッコンスイングだ。

それでなくても、この「頭を動かすな」と「ボールから目を離すな」の言葉は、それに忠実にやろうとしすぎるとスイングを縮こまらせて、ボールに当てるだけのスイングとなり、飛ばない。
その固定概念を取り払うために、「動かしてもいい」と言っているだけで、決して頭と一緒に身体を揺すってスエーしてスイングする事を勧めている訳ではない。

ティーショットのように、ティーアップしてあって、現在のデカヘッドのドライバーで打つ場合は、多少の誤差があってもそれなりにフェースに当たって前に飛んで行くだろう。
もちろん、腕が詰まったり引き込んだりして、気持ちの良いスイングは出来ないだろうし、飛ばないし、曲がるだろうが。
しかし、地面にあるアイアンで頭が動いてしまったら、よっぽど毎日練習して「動いた頭を正確にもとの場所に戻せる」人以外は、酷いミスにしかならない。
アドレスした位置から1センチズレただけで、「ダフリ・トップ・シャンク・プッシュ」何でもありとなる。
バックスイングで右に動けば、同じだけ動いて戻らなければ正確なショットにはならないのは、誰でも判るだろう。
毎日練習して同じ場所に戻る事を覚えるよりも、頭を動かさないように意識して打つ方がずっと易しい。
決して、「頭を動かすな」というのは古い教えではなく、ずっと通用するゴルフスイングの真理なのだという事を覚えておこう。

で、ジャック・ニクラスは、そんな風にして「頭を動かさない」スイングを覚えた。
我々も、きっと手っ取り早いのは「誰かに髪の毛を掴んでもらって」スイング練習する事なんだろう...
しかし、掴むべきものが「無い」、もしくは「少ない」、もしくは「抜かれたくない」という場合...


...頭を動かしてしまって、

「ブチッ!」
「あっ!」


...なんてことになったら...

↑このページのトップヘ